「計算はできるのに、文章題になるとできないんです」
小学生のお子さんを持つ保護者の方から、よく聞く悩みの一つです。
たとえば、
3+5=8
という計算はすぐにできる。
ところが、
「りんごが3個あります。あとから5個もらいました。全部で何個になりましたか?」
と文章になると、急に手が止まってしまう。
保護者の方からすると、
「計算はできるのに、どうして?」
と思われるかもしれません。
しかし私は、ここに大切な問題が隠れていると考えています。
文章題が苦手なのは、算数だけの問題ではないことがあるからです。
文章を読み、状況を理解し、何を聞かれているのかを考える。
つまり、算数の文章題を解くためにも、国語力・読解力が必要なのです。
文章題を見ると、すぐに数字を探す子がいます。
「3と5があるから足し算かな?」
というように、数字だけを拾って式を作ります。
簡単な問題なら、それでも正解することがあります。
しかし、問題が少し複雑になると通用しなくなります。
大切なのは、数字を見つけることではありません。
「何が書いてあるのか」を理解することです。
誰が何をしたのか。
最初はいくつだったのか。
途中で何が変わったのか。
最後に何を求めるのか。
これを頭の中で整理して、初めて式を作ることができます。
つまり、
読む → 理解する → 考える → 式にする → 計算する
という順番です。
計算は、この中の最後の部分にすぎません。
私は、子どもを見るときに、表面に現れている結果だけで判断しないことを大切にしています。
文章題を間違えたから、
「この子は算数が苦手だ」
と決めつけるのは早いと思います。
もしかすると、計算する力は十分にあるかもしれません。
つまずいているのは、その前の、
「文章を正確に読む」
という部分かもしれないのです。
これは算数だけの話ではありません。
国語はもちろん、理科でも社会でも、学年が上がるほど長い文章や資料を読み取る問題が増えていきます。
中学生、高校生になれば、問題文そのものも複雑になります。
だから私は、
日本語を正しく読む力は、国語という一教科のためだけにあるのではない
と考えています。
すべての学習の土台になる力です。
小学1年生や2年生の問題は、まだ文章も短く、内容も比較的単純です。
そのため、
「今は文章題も何となくできているから大丈夫」
と思われることがあります。
しかし、この時期だからこそ大切にしてほしいことがあります。
それは、
問題を最後まできちんと読む習慣です。
数字だけを見る。
途中まで読んで答える。
「たぶんこうだろう」と思って解き始める。
こうした癖がついてしまうと、問題が複雑になったときにつまずきやすくなります。
反対に、
「何が書いてある?」
「何を聞かれている?」
と考える習慣が身についている子は、難しい問題になっても文章を整理しながら考えられるようになります。
低学年では、正解することだけを急がなくてもいいと思います。
どう考えたのか。
こちらを大切にしてあげてください。
お子さんが文章題で困っていると、つい、
「これは足し算でしょ」
「ここを掛ければいいんだよ」
と教えたくなります。
もちろん、時間がないときには、それが必要な場合もあります。
しかし、毎回大人が式を教えてしまうと、子どもは文章を読んで考える必要がなくなってしまいます。
そんなとき私は、答えではなく、質問をしてみることをおすすめします。
「この問題は、何のお話?」
「最初はいくつあった?」
「途中で増えたの?減ったの?」
「最後に何を聞かれている?」
一つずつ聞いてみてください。
子ども自身が説明できれば、文章を理解できている可能性が高いでしょう。
説明できなければ、計算以前に文章の理解でつまずいているのかもしれません。
大人が答えを教えるのではなく、
子どもが自分で答えにたどり着けるように伴走する。
私は、これがとても大切だと思っています。
「読解力をつけるなら、本を読ませればいいですか?」
という質問もあります。
読書は、とても大切です。
しかし、ただ文字を追っているだけで、必ず読解力が身につくとは限りません。
大切なのは、
読んだ内容を理解し、自分なりに考えることです。
たとえば本を読んだあとに、
「どんな話だった?」
「どうして主人公はこんなことをしたと思う?」
「自分だったらどうする?」
と話してみる。
難しい質問でなくて構いません。
親子のちょっとした会話でも、
読む → 考える → 言葉にする
という経験になります。
この積み重ねが、日本語力の土台になっていきます。
「これからはAIがあるから、文章を読む力はそれほど必要なくなるのでは?」
そう考える方もいらっしゃるかもしれません。
私は、むしろ逆だと思っています。
AIは質問に答えてくれます。
文章も作ってくれます。
分からないことも説明してくれます。
しかし、その回答を読んで、
「これはどういう意味だろう?」
「本当に正しいのだろうか?」
「自分が知りたかったことへの答えになっているだろうか?」
と判断するのは人間です。
そして、AIに適切な質問をするためにも、自分が何を知りたいのかを言葉にしなければなりません。
AIを使うためにも、日本語力が必要なのです。
AIが発達すればするほど、
読む力。
考える力。
自分の言葉で表現する力。
こうした力の重要性は、むしろ高まっていくと私は考えています。
小学校では教科が分かれています。
国語。
算数。
理科。
社会。
しかし、子どもの頭の中で、それぞれが完全に別々になっているわけではありません。
文章を読む力は算数でも使います。
論理的に考える力は国語でも算数でも使います。
自分の考えを説明する力は、どの教科でも必要です。
だから、
「国語は国語」
「算数は算数」
と分けて考えすぎない方がよいと思います。
日本語で読み、日本語で考える力が、さまざまな教科の学習を支えています。
私は長年、愛知県瀬戸市で小学生から高校生までの子どもたちと向き合ってきました。
その中で感じるのは、学年が上がるほど、
「読む力」の差が学習全体に影響してくる
ということです。
小学生のうちは、計算や漢字など、反復練習によって結果が出やすい学習も多くあります。
しかし、中学生、高校生になると、それだけでは対応できません。
問題文を読み、
条件を整理し、
資料を読み取り、
自分で考える。
こうした力が必要になります。
だからこそ、小学校低学年のうちから、私は日本語力を大切にしてほしいと思っています。
瀬戸市で学習塾を運営するモリヒサMAETAでも、単に答えを覚えるだけではなく、子どもが**「自分で読んで、自分で考える」**ことを大切にしています。
まず、計算練習を増やす前に、問題文の内容を理解できているか確認してみてください。
「どんな話なのか」「何を求める問題なのか」を、お子さん自身の言葉で説明してもらう方法がおすすめです。
大切な条件を整理するために線を引くことは役立ちます。
ただし、数字だけに線を引くのではなく、「何が分かっていて、何を求めるのか」を意識することが大切です。
難しい読解問題をたくさん解かせる必要はないと思います。
まずは文章を最後まで読む、読んだ内容を話す、「どうして?」と考える、といった習慣から始めてください。
影響する可能性があります。
理科や社会でも問題文や資料を読み取りますし、中学・高校と進むにつれて文章量も増えます。
そのため、読解力は国語だけではなく、教科学習全体の土台になると考えています。
子どもが問題を間違えると、どうしても正解に目が向きます。
でも私は、小学校低学年のうちは特に、
「どう考えたの?」
と聞いてあげてほしいと思っています。
間違った答えにも、その子なりの考えがあります。
そこを一緒にたどっていけば、
「ここまでは分かっていたね」
「ここで意味を取り違えたんだね」
と、本当につまずいている場所が見えてきます。
できなかったことだけを見るのではなく、
その子自身を見る。
これは、モリヒサMAETAが大切にしていることでもあります。
算数の文章題ができないとき、算数の問題だけとは限りません。
その奥に、
「読む力」
の課題が隠れているかもしれません。
だからこそ、計算を速くすることだけを急がず、
読む。考える。自分の言葉で説明する。
この力を、小学校低学年からじっくり育てていきたいと思っています。
子どもたちが中学生、高校生になり、さらにAIとともに生きる時代になっても、自分で読み、自分で考え、自分なりの答えを見つけられるように。
それが、今の小学生に身につけてほしい本当の学力だと、私は考えています。
愛知県瀬戸市で、小学生・中学生・高校生の学びを支える学習塾です。
新瀬戸教室・品野教室を中心に、教科学習だけでなく、読解力・論理的思考力・EQ・非認知能力など、これからの時代に必要となる力を育てることを大切にしています。
学力の偏差値だけでなく、「心の偏差値」も。
子ども一人ひとりに寄り添い、ともに考え、ともに成長する教育を目指しています。